アオハタ – 釣魚図鑑

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釣魚図鑑
201109280714

スズキ目ハタ科エピネフェルス属(Epinephelus awoara)

主観的評価

レア度   ★★★★
釣る楽しさ ★★★★★
おいしさ  ★★★★
※ショアからのルアーを主にしており、それも強く影響しています
※恐ろしく主観に基づきます

一般的説明

太平洋側で千葉県、日本海側で山形県を北限とし、南方は鹿児島県まで。海外では台湾やフィリピンなどでも確認されているのに沖縄では確認されていないのか不思議です。体側には5本の暗色横帯がありますが、成長に伴い薄くなっていきます。また黄色の小斑があり、尾鰭は丸みを帯びます。ハタ科としてはやや小型種で全長45cmほど。温帯のハタで日本海側でも多く見られ、岩礁帯や岩混じりの砂底に多く、幼魚は浅所でも見られますが、成長と共にやや深場に移るようです。

主観的説明

ハタ類の中では安価で流通量の多い魚です。このアオハタ、残念ながらハタ類の中では味が強くありません。クセもほとんどないのですが、味もあまりない。ハタと意識するとちょっと残念。とはいえ腐ってもハタ。個人的な感覚ではカサゴよりも美味しいという印象のため★×4。カサゴを卑下するわけではないのですが、個人的にはカサゴは鱗を取るのがかなり手間に感じることもあり、あまり好んで食べないんです。すごく上品なんですけどね。そんな事を書いていたらカサゴの記事になりそうなのでここで自粛。

ショアをメインにしているとあまり釣れない魚という印象です。釣れても20cmクラスまでの若魚ばかりで、成魚は沖に出るため釣ったことはなく、大きい個体を釣って食べると印象が変わるのかもしれません。

ただ、ハタ類の中でも割と安価なため、飲食店で提供されることも多いです。メニューに「ハタ」と書いてあったらこの魚ということも多いですよ(少なくとも福岡近辺では…)。それらを食べた印象でも特別な旨味を感じたことはないので、恐らくそういうことですね。

ただ、誤解のないようもう一度書きますがハタ類の中では、という事ですので。普通に食べたら非常に美味しい魚です。

さてこの魚の学名・種小名は「awoara」なのですが、片仮名に直すと「アオアラ」です。実は(知る限り)九州北部でハタのことを「アラ」と呼びます。佐賀県唐津市の伝統的な祭事「唐津くんち」では訪れた人にアラ料理を提供するのですが、それは実際にアラという魚でなく、クエのことを指します。大相撲の九州場所はアラ鍋を食するという話ですが、こちらも同様にクエ。ということで、上記の「アオアラ」は九州での呼び方が学名に反映されているということなのです。

正確なこの魚の学名は「Epinephelus awoara(Temminck and Schlegel, 1842)」となっており、最初に名付けたのは1842年にテミンクさんとシュレーゲルさんということを指します(厳密に言うともっと細かい情報がありますが割愛)。
この名付ける際に使用した標本が、シーボルトの収集した長崎産のものだったとか。それは「アオアラ」という選択も納得ですね。

全くアオハタと関係ないですが、そのシーボルトが持ち帰った資料から上記テミングさんとシュレーゲルさんが作り上げた「FAUNA JAPONICA(ファウナ・ヤポニカ)」という図鑑の文言やイラストを再現したTシャツが販売されるようになりました。実に140種類以上のバリエーション。こっそりとイトヒキアジのものを購入してしまいました。地味に生地がポリエステル100%で、ラッシュガードとは違いますが速乾性の高いものになっていますので、夏でも気にせず着られるものであり魚好きの心をくすぐるものとなっていますよ!

それにしてもアオハタという名前ですがどうにも納得がいかない。多くの人が「何故アオ?」という印象を抱きそうです。というかそう思わない人に理由を聞いてみたい。ルリハタを見習ってほしい。写真の個体は若魚で色が濃く、黄褐色とも言えそうですが、成長と共に黄味がかってくるため、地方名で「キアラ」や「キハタ」と呼ぶこともあります。どう見ても青色でなく黄色なのです。
昔から日本人は緑色を青と呼ぶため、青信号が緑色でも納得ですが、黄色を青と呼ぶ習慣はないですよね。浅薄な知識のせいかもしれませんが謎でしかない。
そんなことを感じながらアオハタの水中画像を眺めていたのですが、少数とはいえ光と水の色の関係から背鰭が青色系統になっているものが複数出てきました。これ…か…?あまり納得いかないけどそういうことにしておきましょうか。ご存じの方がいたら教えて欲しいものです。

今回、Web魚図鑑に従いエピネフェルス属として表記しましたが、マハタ属とすることも多い魚です。これは、従来「マハタ」がエピネフェルス属に属する代表種であるということからですが、最近では「ヒポルソドゥス属」に帰属すべきだとの声があり、確定していないためです。マハタ属にマハタがいないという摩訶不思議な状態になってしまう可能性があるため、便宜的に学名をカタカナ読みした表記としています。分類学、まだまだ動いていきますね!

※学名表記はイタリック体や命名者を省くなど厳密なルールに従っているものではありません。分かりやすいよう属名、種小名のみ(場合によっては亜種名を加えます)を表記しています。