レア度 ★
釣る楽しさ ★★★★
おいしさ ★★★
クロダイの基本情報
クロダイは、釣りの世界ではかなりの有名魚。専門に狙う人も多く「釣りといえばクロダイ」みたいな方も多いはず。
釣り人にはお馴染みのクロダイですが、この呼び名でピンとこない方もいるかもしれません。これは、西日本ではほとんど「チヌ」と呼ばれていて、本名じゃ呼ばれないから。かく言う自分もを「チヌ」と呼んでます。東日本だとを「クロダイ」の方が通じるみたいですね。
クロダイはほぼ日本全国に生息していて、いないのは北海道の北部と沖縄くらい。日本の釣りの代名詞的な存在になったのには、どこにでも生息しているという理由もあるのかもしれません。
生息する地域も広い上に、生息する環境も多種多様。漁港内や河口に多い印象ですが、磯やサーフにも普通にいます。どうも、漁港のような場所に居着く個体と、小さな群れで移動する個体がいるようですね。ただ、あまり深い場所には行かないようです。
超がつく程の雑食生で「なんでそんなものまで食うの?」って思う物まで食べます。有名どころだとスイカやミカンなんかのフルーツですね。これらをエサにして、狙う地域もあるみたいです。
性転換をする魚で、小さい頃は全てがオスです。生まれて3年目くらいから雌雄が分かれてきて、大きくなるにつれ、メスの割合が高くなります。
産卵は春で、乗っ込みのチヌとして釣り人の間では有名。乗っ込みとは、深場にいた魚が産卵のためにシャローに刺してくること。この時期は、陸っぱりから狙える範囲に魚が増えるので、かなり釣りやすい時期になります。
クロダイのルアーでの狙い方
クロダイの釣り方は、古くから多種多様。色々な場所に生息している上に何でもかんでも食べるため、そこに合わせた釣り方が生まれていったのでしょう。
釣り方は多種多様でしたが、古くはクロダイはルアーのターゲットとされていませんでした。釣れないことはないけれど、外道としてたまたま釣れたみたいな感じ。それが今では、これまた多種多様なルアーで狙えます。
有名どころだと、チヌポッパーでしょう。内湾のシャローエリアや河口付近のシャローエリアでは、ポッパーでのエキサイティングな釣りが楽しめます。ポッパーが有名ですが、多分ペンシルなんかのトップでも釣れると思います。
最近では、フリーリグで狙うのが流行ってきているみたいですね。自分もテキサスリグやジグヘッドで狙うことが多いですが、確かにフリーリグの方が理にかなっていると思います。この釣りは、今後試したい釣りの一つですね。
クロダイ狙いのルアーの元祖は、多分Mリグだったと思います。Mリグとは、ラパラのCD7のフロントフックを外してそこにガン玉をつけ、リアフックをダブルフックに取り替えたもの。これをズル引きすると、クロダイがよく釣れるとして有名になった覚えがあります。今では、使っている人ほとんどいないでしょうね。
他にも、シーバス狙いのミノーでも釣れますし、ワインドでも釣れますし、ジグでも釣れます。サイトだと、ネコリグやジグヘッドワッキーも自分は使います。バスくらいいろんなルアーに反応するので、これからも新しい釣り方が生み出されそうですな。
クロダイに似た魚
クロダイに似た魚に「キチヌ」と言う魚がいます。釣り人が言うところのキビレです。なぜかこちらは、標準和名に「チヌ」の名が使われています。
クロダイとキチヌの最大の差はヒレの色です。キチヌはキビレと呼ばれる通り、尾鰭、臀鰭、腹鰭の下が黄色いです。対してクロダイは、ほとんどの場合ヒレは黄色くなりません。ただ、大型のキチヌは鰭の色が薄くなっていたり、クロダイの幼魚の鰭が黄色っぽいこともあるので注意が必要。
一番確実なのは、背鰭から側線までの鱗を数える方法です。クロダイなら5.5枚以上、キチヌは3.5と明らかな差があります。ただ、数える場所が分かりにくいのと、何よりめんどくさいのが難点です。
まぁ、大型のキチヌで鰭の色が薄くなっていても、元は黄色かった名残は残っているもの。鰭をよく見れば、大体の個体は判別できるとは思います。
他には、ミナミクロダイやナンヨウチヌもクロダイによく似ています。ただ、これらの種は、クロダイと分布域が被っておらず、奄美や沖縄にのみ生息します。なので、とりあえずは釣った場所で判別することが可能となっています。
クロダイの美味しい食べ方
クロダイを美味しく食べる上で、最も重要なことは「美味しい個体かどうか見分ける」ことです。と言うのも、クロダイは個体によっては臭みが強いものがあり、これにあたると食べるのも厳しくなってしまうからです。
まず、内湾や河口などあまり水が綺麗でないところで釣った場合は、注意した方がいいです。こうしたところに居着いている個体は、その場の臭いが染み付いている可能性がかあります。基本的に、体色が黒ずんでいるものは疑った方が無難です。
ただし、綺麗な場所で釣れたからと言って、油断が出来ないのが厄介なところ。雑食性でなんでも食べるからか、綺麗な場所でも独特の匂いがするケースも。こればかりは運ゲーなのですが、見た目が綺麗な個体の方がハズレは少ないので、これを頼りにするしかありません。
美味しい個体さえゲットしてしまえば、何に調理しても基本的には美味しくなります。マダイと同じ感じの白身なので、煮ても焼いても刺身でもオッケー。なんなら、美味しい個体はマダイよりも味がいいかも。
個人的には、クロダイは塩焼きが好みです。クセのない白身で、身が程よくしまっていて、自分好みの焼き魚になります。脂乗りの良い個体なら、なお良しですな。ちなみに、今までで一番美味しかったクロダイは、平戸の瀬渡しで釣った個体です。
どうもクロダイは最近人気がなく、比較的安く買えるみたいです。美味しいのに安い、お買い得な魚とも言えるので、見かけたら購入してみてください。
